致知出版の新春特別講演会「いまをどう生きるのか」で、松原泰道老師と五木寛之氏のお話をうかがった。同名「いまをどう生きるのか」(致知出版)出版記念講演。お二人とも、たいへん味わい深いお話で感動する。
お二人のお話の全貌は、恐らくこれから出る「致知」かその他の著作物で扱われると思うので、深く触れるわけにはいかない。けれど、松原泰道先生の切り出しだけ、ちょっと紹介させていただきたい。
101歳になられる松原先生曰く、「私は後期高齢者を通り過ぎて、末期高齢者。今や秒読みの段階。消えてしまう前にさっそく本論に入ります」。これで満場の苦笑が起こったわけだけれども、実はこれ自体がたいへん味わい深いお話と感じた。
先生はそうして皆を笑わせる一方、一秒たりとも無駄にできない人生のことを伝えて下さったのだと感じる。
同時に、平均寿命を遙かに超え、その101歳の心境とはどのようなものであるのかというあたり、まだまだ若輩者の私たちに、それをしっかり想像し、しっかり味わってみよと言って下さったように感じる。
何度も思い出して、何度も味わってみたい。
先生の本を読み始めてやっと10年ほど。確かに肉声をうかがったこと、ご高齢の先生のこともさることながら、私自身も生きていて今日という日にたどり着けたことを本当にありがたいと感じる。
ありがたい。ありがたい。ありがたい。