地元の駅前に和菓子店がある。その店の角には、焼き団子を売る売店をしつらえてある。子供がまだ小さい小さいとき、手を引いて買いに行った。でも、もう二度と行かない。
おじいちゃんおばあちゃんとわが家とで、いっしょにお茶をするのに団子を食べようということになった。1人2~3本として、十数本になる。あんと、みたらしと、ごまを数本ずつ求めた。
店のおじさんがうちの子を見て、みたらしではなく葛あんのしょう油団子を1本取り出して「小さい子には、これがいいから」と言い、その1本を余計に詰め合わせた。
いっぱい買ったからプレゼントしてくれたのだ。「ありがとうございます」と頭を下げた。
お金を払って、おばあちゃんの家へ(おじいちゃんもいるのに、祖父母宅はどうしてみんな「おばあちゃんの家」と言うのかな。うちだけ?)。
「サービスしてくれたんだよ」と言いながら、レシートを捨てようと思って、その拍子にふと確認してみた。なんと、しょう油団子はプレゼントではなく、1本余計に押し売りされていたのだった。
うれしさと感謝というプラスがゼロにではなく、数倍して憎悪というマイナスになった。
友人たちには、絶対にあの店で菓子を買うなと言い聞かせている。だから、お店が受けた効果も、数倍してマイナスになったことになる。
あさはかなことだ。