ずいぶん前にひとから教わった話。英語の「stone」と「rock」はどう違うのか? 通常、「stone」は「石」と訳されることが多く、「rock」は「岩」「岩石」などと訳されることが多い。で、国語辞典によると、「石」は「岩より小さく、砂より大きいもの」。ならば、「rock」と「stone」は大きさの違いと考えていいのか?
違うそうだ。
たとえば、「月の石」は「moon rock」。手のひらに収まるようなものでも「moon rock」。「stone」を使うのはアポロが持ち帰った石ではなく、ある種の宝石の名前にはあるらしい。
一方、「stonehenge」というものがある。「環状列石」と訳すらしいけれど、これに使っているのはすさまじく大きな“巨石”。岩の小さなものを「stone」と言う、というのは間違えのようだ。
その人が教えてくれた答えは、こういうもの。
stone……人里、人間界にある石。人の手の加わった石
rock……人間界の外に産する石。人の手の加わっていない石
人間のいない月の石は、どんなに小さくてもrock。人が使っている石ならば、どんなに大きくてもstone。
だそうです。
これまたずいぶん前、夜中に教育テレビを見ていたら、日本語について似たようなことを教わった。「ハヤシ」(林)と「モリ」(森)はどう違う?
「ハヤシ」も「モリ」も、ともに木がたくさん生い茂ったところだけれど、漢字で書いたときの「木」の本数から言って、「モリ」(森)は大きなもの、「ハヤシ」(林)はそれより小規模なもの。小学校でも、確かそう教わったように思う。
諸説はあるのだろうけれど、テレビの先生が教えてくれたのは、こういうもの。
ハヤシ……人の手で木を茂らせたところ
モリ……木が自然にたくさん生えたところ
おそらくは、「ハヤシ」は「生やし」からで、(人が)木を生えさせたところということ。「モリ」は「盛り」からなのか。ひょっとすると、大昔は「モレ」だったのが「モリ」に転じたのかもしれない。また、古い日本語では、「モリ」の「モ」と、「モエル」(萌える)の「モ」は通じるのかも(音韻を調べていないので怪しいですが)。
「鎮守の杜」の木は人が植えたのではないかと言われそうだが、あれは本来自然に出来たモリ象ったものということなのだろう。あるいは、この場合の「モリ」は「森」ではなく「守り」なのかもしれない。これまた思い付きですが。
ならば、漢字の「森」と「林」はどう違うのか? わかったらまた書きます。